熊本地震で注目された地震地域係数って何?

耐震性能がいかに重要な項目なのかは、人命を守り、お財布も守ることに繋がるというのが分かったと思います。

しかし、いくらカタログ上の耐震等級を意識していても、実際に建てる家がそうなるとは限りません。

どうしてもこうしたい!という間取りのせいで、耐震等級が3を獲得できないこともあります。

苦渋の決断ですが、あなたならどちらを取りますか?

それでは、下記の地震地域係数についての記事を是非お読みください。

 

地震地域係数

熊本地震以降、よくおもてに出てきた言葉ですが、まだまだ浸透していないように思います。

日本は地震大国と呼ばれますが、全国各地どこでも大地震に見舞われたか?と言うとそうでもありません。

いまだ、大地震を経験していない地域も存在します。

地震のくる確率が低いであろう地域と、毎年のように大地震が来るよ!と叫ばれている確率の高い地域もあります。

その差を係数で表したものが【 地震地域係数 】と読んでいます。

 

地震地域係数での区分け大きくは県別

例えば・・・

首都圏で住宅を建築する場合は、地震地域係数は1.0になります。建築基準法に定めてある耐震基準そのままで建築するということですね。

沖縄県ではどうでしょうか。

地震地域係数は0.7となっています。

これは、首都圏で建築する住宅よりも3割設計震度を引いていいよということなんです。

 

震度7に耐えうる家を造る建築地が、地震地域係数【 1.0 】の地域ならば = 震度7に耐える耐震強度になります。

しかし、地震地域係数が【 0.8 】の例えば福岡県などでは震度7に耐えうる家を作ったつもりが係数0.8を掛けた耐震強度で設計することになり、実際の震度7には耐えられない可能性があります。

記憶に新しい2016年に起きた【熊本地震】

この熊本県は地震地域係数が0.9と0.8の地域となっていました。

阪神淡路大震災よりも大きかったといわれている熊本地震の起きた熊本県は係数1.0ではなかったんです。

誰も、いつ・どこで巨大地震が起きるかなんて分からないのです。

ちなみに、係数1.0が最大と思っていましたが、静岡県は任意ですが地震地域係数を【 1.2 としています。

南海トラフの巨大地震がいつ来てもおかしくないといわれている地域ですから、意識が高いですね。

一番係数が低い県は先にも述べた【沖縄県】0.7ですが、地震がないとは限りません。

この係数(値)は低減してもいいよ。というモノサシなので、命令ではないのです。

2017年10月1日から静岡県地震地域係数(Zs)強化を義務化することになりました。

これは、建築基準法に定める耐震強度の1.2倍の基準にするという県条例制度になります。

南海トラフ巨大地震に対して新築建築物の地震に対する安全性を確保するという独自のものさしです。静岡県は昭和59年から建築基準法による耐震強度の1.2倍を推奨してきました。

※建築基準法上の地震地域係数は0.7~1.0

 

このように、国の定める基準に従うのみではなく、個別の行政により人を守るべく、また災害レベルを抑えるべく取り組む自治体が出てくるのではないでしょうか。

個人としても、建築業者にすべてお任せではなく、より安全性の高い建物を要望することはいくらでも可能です。

お住いの地域係数を確認して、どのくらいの強度が欲しいのかを選択するのも資産を守る、また家族を守る一つでしょう。

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