計画換気と換気システム

人が生きていく中で必要不可欠なものの一つに【 空気 】があります。

この空気が無いと私たちは生きていくことができない重要な要素です。

最近大気汚染として有名になっている 【 PM2.5  】各地の工業地帯から排出される汚染物質が私たちの環境を悪化させています。

計画換気の必要性

 

空気の構成は、窒素・酸素・アルゴン・炭酸ガス・一酸化炭素・ネオン・メタン・ヘリウム・水素などが含まれています。

これだけであれば新鮮な空気となりますが、様々な環境下でPM2.5や自然界の花粉など有害な物質が混ざり合い、様々なアレルギー症状等を引き起こす原因を作り出しています。

こと、住宅に関しては建物の外壁や屋根等で有害物質の侵入を防いでいるように思いますが、家にもわずかな隙間が存在したり、低性能な換気システムの採用で室外の有害物質も室内に取り込んでしまいます。気密性の良い家は人間の吐く息でも二酸化炭素濃度が上昇し、室内環境を悪化させてしまいます。

このような悪循環を回避し、健康的な住環境を作るための【 計画換気 】が必要となりました。

2003年7月に24時間機械換気設備の設置義務化が決まり、住宅には必ず設置することになりました。

計画換気の回数基準

 

2時間に1回は居室空気の入れ替えが行われるようにする。

これは、呼気等による二酸化炭素や有害化学物質が高濃度にならない為にある基準です。

上記回数は必要換気量の目安ですが、少なすぎると汚れた空気濃度が高くなり、逆に多すぎると、省エネルギーという概念から遠ざかっていきます。

 

2003年義務化当時の換気システムは、室内の有害物質となる化学物質を停滞させないようなものが中心でしたので、室内の空気を外に出す・室外の空気を取り込むという単純なものでした。

そのため、排気では単に空気を出すだけの家となり、せっかく温めた室内の空気を外に捨てるという、省エネルギーという概念からは意味をなさないものとなっていました。

また、給気でも室外の湿気や有害物質をそのまま取込み室内の環境を悪化させることにもなりました。高気密な家は高湿度となりカビやダニが繁殖しアレルギー症状を訴える人が増えてしまった過去があります。

これらを改善する為に、研究開発が行われ現在に至っています。

 

換気システムの種類と方法

現代の換気システムは4つの種類

 

  1. 第一種換気システム
  2. 第二種換気システム
  3. 第三種換気システム
  4. 第四種換気システム

 

第一種換気システム

▶ 室内と室外の空気を機械的に入れ替えする機械換気システム

第二種換気システム

▶ 室外から機械的に吸気し、室内の空気を自然排気するシステム

第三種換気システム

▶ 室内から機械的に排気し、室外の空気を自然吸気するシステム

第四種換気システム

▶ 一種~三種と違い自然換気。空気の温度差を利用したり、対流を利用したりするシステム(パッシブ換気)とも言われます。

換気量を自在に操ることが難しく、無風状態のときや春・秋などの季節は室内外の温度差が少なく必要な換気量が得られにくいなどのデメリットから、利用が少ないのが現状です。

 

高気密化された住宅のメリットは、計画的な換気が容易になり省エネルギー効果を発揮し住宅の耐久性を上げることになります。

逆に計画的な換気が行われないと、汚染された空気の滞留がおこり、人の健康を脅かします。

一酸化炭素中毒を回避

 

石油ストーブは、灯油を燃焼させることで、二酸化炭素と水蒸気を生成します。燃焼を続けることで酸素が欠乏してきます。そうなると不完全燃焼が起こり一酸化炭素中毒を引き起こしてしまいます。

人体に必要な酸素は、血液中のヘモグロビンによって運ばれています。

これが一酸化炭素に置き換わると、酸素よりも250倍ヘモグロビンと結びつく性質を持っています。すると、酸素が体内に運ばれないことになり、一酸化炭素中毒症状を起こしてしまいます。

このような状況を作り出さない為にも、計画的な換気環境は重要な項目です。

高気密化した家は計画換気で資産価値アップ

 

正しい換気の仕組みを身につけ、しっかりとした設備を検討することで汚染空気の問題はなくなります。

かえって、高気密住宅のメリットが強調され省エネルギー化がされて住む人にとってより良い家となり資産価値を高めることにつながります。

 

 

 COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

関連記事がありません。