金持ち住宅・貧乏住宅を決める住宅性能表示基準

人生最大の買い物といわれる【 住宅 】

この住宅の選び方で、後の経済環境が決まってしまうとしたらどうしますか?

住宅についての【 ライフタイムコスト 】という生涯家にどれだけの費用をかけていくのか?を前もって計算することで有意義に【 お金 】を使うすべを手に入れることが出来る。と言う内容です。

住宅を選ぶ選択肢は2つ

 

ライフタイムコストで住宅を分けるとすると

  1. 高性能住宅
  2. 建築基準法レベル住宅

この2つに分けることになります。

高性能住宅の基準と建築基準法レベル住宅とは

高性能住宅・建築基準法レベル住宅を日本の基準で評価すると10項目・35分野になります。

※(新築住宅に関しては、33項目)

  1. 構造の安定:地震や風に対する建物の強さ
  2. 火災時の安全:火災の早期発見、脱出対策、建物の燃えにくさ
  3. 劣化の軽減:木材の腐朽に対する対策やコンクリートの劣化対策
  4. 維持管理への配慮:給排水管とガス管の維持管理のしやすさ
  5. 温熱環境:断熱や気密などの省エネルギー対策
  6. 空気環境:室内化学物質汚染に対する内装材や換気に関する対策
  7. 光・視環境:最高のための開口部の面積
  8. 音環境:騒音に対する遮音対策
  9. 高齢者等への配慮:バリアフリー対策
  10. 防犯:開口部等の侵入防止対策

これらの基準を【 住宅性能表示制度 】と言います。

それぞれに等級が設定されており、第三者がこの評価を見たときにどのような住宅になっているのかを客観的に判断出来るようなものになっているのが特徴です。

また、外見からでは容易に判断しにくい項目が掲げられています。

例えば、①の構造の安定についてでは、耐震等級と言う地震に対する強さを表したものがあります。

これは、完成時の外観からは見て取れるものではありません。

  • 耐震等級1 ( 建築基準法にのっとったレベル )
  • 耐震等級2 ( 等級1の1.25倍の強さ )
  • 耐震等級3 ( 等級1の1.5倍の強さ )

これで評価すると、耐震等級3が一番安定する構造となり、高性能住宅という事になります。ただし、等級が高いことがどの住居者にとっても最適なものになるとは限りません。(合理的判断が必要となります)

高性能住宅の評価に相反するのが 低性能住宅 となります。

ライフタイムコストに違いが出る家の性能評価

 

住宅性能表示制度に関する評価が高い住宅と低い住宅ではどのような違いがあるのでしょうか。

住宅性能評価基準に沿って簡単に見てみましょう。

1.構造の安定

耐震等級1・2・3に分かれています。それにより安全性が高まります。大きな地震で倒壊・損傷がしにくい構造なので、5年に1度大きな地震がくるといわれる日本では、必要な性能でしょう。

地震に対する保険は、この耐震等級により保険料が分かれます。

  • 耐震等級1:10%OFF
  • 耐震等級2:30%OFF
  • 耐震等級3:50%OFF

ライフタイムコストで生涯はらう地震保険料を計算すると、性能の高い耐震等級3を選択するのが、良いことが分かります。

地震保険について詳しくはこちらの記事で

2.火災時の安全

ライフタイムコストに係る耐火性能には大きく2つの性能があります。

  • 耐火住宅
  • 非耐火住宅

これにより、非耐火住宅より耐火住宅のほうが火災保険料は約半額程度になります。

更に、耐火・非耐火により地震保険料も変わり、耐火は更にお得になります。

 

火災保険について詳しくはこちらの記事で

 

3.劣化の軽減

柱、梁、主要な壁などの構造躯体に使用されている材料に劣化対策をどの程度施しているのかの評価

  • 木造では腐朽やシロアリ対策等
  • 鉄骨では鋼材の錆び対策等
  • 鉄筋コンクリートでは鉄筋の錆び、コンクリートの品質等

 

評価基準

  • 等級1:建築基準法レベルの対策
  • 等級2:想定維持管理で50年~60年
  • 等級3:想定維持管理で75年~90年

等級が高くなれば、劣化に対するメンテナンスのコストが削減されます

 

4.維持管理への配慮

給排水管・給湯管及びガス管は比較的耐用期間が短いものになっており、点検や清掃、補修のしやすさが評価の対象となっています。

評価の等級

  • 構造躯体等を痛めず点検及び補修を行なう為の対策が採られているか
  • 構造躯体も仕上げ材も痛めず点検、清掃が出来るか

多くの対策が講じられていることが等級をあげていく要因です

等級が上がれば、点検・補修・清掃のコストが下がります

 

5.温熱環境

2020年義務化される【 省エネルギー基準 】の大変重要な項目です。

建築される住宅がどれだけ、省エネルギーな造り(断熱・気密・窓)になっているのか。設備(暖冷房、換気、給湯、照明)の性能がどの程度か。

また、創エネルギー設備として太陽光発電設備などの設置による、消費と作り出すエネルギーのバランスを評価しています。

これらは、日本のどこに住むのかという地域による区分も評価対象に入ります。

使うエネルギー( 省エネ )が少なく、作り出すエネルギー( 創エネ )が多ければ収支0に出来たり、時にはマイナスとなり、地球環境にも、経済的にも助かる家となります。

エネルギー収支が0もしくはそれ以上になれば、ライフタイムコストは劇的に削減されます。

6.空気環境

2時間で住宅の空気がほぼ入れ替わる程度の換気が常時確保されている計画的な換気対策が講じられているかどうかを評価。

ホルムアルデヒド対策

建材の等級表示 フォースター F★★★★で等級表示をしています。

最近の機械換気システムでは、高性能な設備が多く出てきており、省エネルギー対策に一役買う機器があります。

第一種換気システム熱交換タイプは、暖冷房効果の補助をして光熱費の低減に効果を発揮しています。

これも、ライフタイムコストに反映される一つです。

7.光・視環境

室内でのさまざまな作業に必要な明るさを、視覚に大きな負担をかけないように確保することは照明の電気代等にも大きく係ります。

また、光の確保や視環境の為に大きく窓を取ることは光熱費にも影響を及ぼします。

住宅の熱損失の大部分が窓からとなっています。夏場71%ロス。冬場48%ロス

適度な開口部の面積と位置が検討されないと、ライフタイムコストにも影響します。

 

8.音環境

住宅の外壁に設ける窓の遮音性を高める対策が、どの程度されているかなどを評価しています。

音は、ストレスを感じる原因の一つになっています。

幹線道路沿いでの、車の騒音やバイクの空ぶかし、人のしゃべり声など。

住宅の遮音性は、反射、干渉、共鳴、共振等不確定な要因が多くあります。

これらを予測の出来る内容に置き換え評価しています。

9.高齢者等への配慮

年をとったり、ケガをしたりすると、通常出来ていた行動に負担を感じることがあります。また、車イスを利用するようになったり、介助者が必要な場合も出てくることがあります。

これらを想定した家づくりがされているかどうかが評価の基準です。

  • 高齢者等配慮:移動時の安全性・介助の容易性の2つの項目

この2つの項目が住戸内と住戸外(外:出入り口から玄関等までの間)にどの程度講じられているか。

新築時点で検討がされていないと、思わぬリフォーム代がかかることにもなります。また、簡易に出来るような検討がされているかも検討の一つでしょう。

10.防犯

防犯は等級ではなく表示となります。住宅の開口部を外部からの接近のしやすさに応じて各階毎に、防犯建物部品等を使用しているか否かを表示します。

破壊行為に5分以上耐えられるかどうかを【 CPマーク 】として表示することができます。

防犯性能向上の4つの原則

  • 監視性の確保
  • 領域性の強化
  • 接近の制御
  • 被害対象の強化

民間ホームセキュリティに加入することも一つかもしれませんが、年間コストもかなりの費用となります。新築時点での防犯性を高めることで、回避できることもあるという事を認識していきましょう。

住宅性能評価基準に照らし合わせた等級選択で低ライフタイムコストに

住宅の性能を決める基準10項目についてお話してきました。

これらの項目全てではありませんが、新築時にしか出来ないこともたくさんあります。

そして、その選択の違いでライフタイムコストが大きく変わってきてしまいます。

目に見えない部分にこそ、費用を裂くことで住んでからのランニングコストを大幅に押さえ、初期費用の差を逆転することの出来る住宅が出来上がります。

詳細は、各記事にてご紹介していますので、よろしければご一読いただければ幸いです。