住宅ローンと言っても、家を購入するのと同じでほとんどの人が初めての手続きとなるでしょう。
ご主人一人で借りれを起こす場合や、ご夫婦お二人で借り入れをする、収入合算する場合など、住宅ローンと一言で言っても様々です。
今回は住宅ローンの基本的な組み方と特徴をご紹介します。
住宅ローンの組み方と特徴の5つ
- おひとり単独ローン
- ペアローン
- 収入合算(連帯保証)
- 収入合算(連帯債務)
- ミックスローン
1.単独で組む住宅ローン
一般的な住宅ローンの一つでしょう。
ご主人や奥様どちらか単独で住宅ローンを組む方法です。ご家庭によりさまざまな状況が考えられますが、どちらかが専業主夫(主婦)の場合、収入のある人しかローンを組めません。
2.ペアローン
ご夫婦それぞれが、それぞれの名義で住宅ローンを借りること。単独よりも借入額が多くなるメリットがあり、双方で住宅ローン控除を受けることができる場合は、控除額が増えることがあります。
それぞれでの借り入れとなるので、ローン諸経費・契約印紙代は2人分かかる計算となる場合がほとんどです。
ローン諸経費が2人分かからない、フラット35などの商品もあります。
ペアローンの場合の団体信用生命保険
夫婦それぞれが債務者本人となるので、それぞれに団体信用生命保険に加入します。
どちらかに万が一のことがあった場合は、そのどちらかの住宅ローンは保険金にて全額返済され、残された方は自分の分のみ返済となります。
3.収入合算(連帯保証)
ペアローンと違い、借りるローンは1本です。どちらかが主債務者となり、もう片方の方が連帯保証人となります。よくあるのは夫と妻。
主債務者が返済不可能になると連帯保証人に支払いの義務が生じます。
収入を合算することができますが、住宅ローン控除は主債務者のみになります。
●民間住宅ローンが利用可能
4.収入合算(連帯債務)
ペアローンと違い、借りるローンは1本です。連帯保証と違い、主債務者と連帯債務者、双方が返済の義務を負います。
収入合算することができ、住宅ローン控除も双方が受けられます。
●フラット35(住宅金融支援機構)・民間ローンの一部が利用可能
連帯保証・連帯債務の場合の団体信用生命保険の注意点
団体信用生命保険は、主たる債務者が対象となる保険です。ですので連帯保証人・連帯債務者には適用されません。
連帯保証人・連帯債務者に万が一のことがあったとしても、主債務者が残りの返済を続けるようになります。
フラット35では、注入合算(連帯債務)の場合、デュエット(夫婦連生団信)という、夫婦2人対象になる団体信用生命保険もあります。
2人分の特約料は単純に2倍になるわけではなく1.56倍となります。
安心を買う意味では利用価値があります。
収入合算はいくらまで合算ができるの?
一般的な住宅ローン同様、収入によって借入額がいくらになるかが計算されます。しかし本人のみでは希望額に満たない場合もあるでしょう。
そのような場合に収入合算を利用しますが、配偶者との合算で、夫の収入に妻の収入を合計して借り入れをする形です。
収入合算できる人の制限
収入合算できる人は、本人の直系親族、配偶者、婚姻関係にある人、内縁関係にある人など。金融商品や金融機関によって変わりますので要確認です。
収入合算はいくらまでできるの?
借り入れ金融機関によってまちまちですが、全額合算や合算者の1/2までや借り入れのメインとなる方の最大50%までなどさまざまです。
収入合算例
<例:夫500万 妻300万円のケース>
条件 | 夫のみ借り入れ | 夫婦で合算全額 | 配偶者収入1/2 | 夫の収入50% |
年収 | 500 | 800 | 650 | 750 |
借入額が増えれば、返済額も増えますので返済計画などでどちらかが働けなくなった場合などを想定して借入金額を検討しましょう。 |
5.ミックスローン
長期固定金利ローンと変動金利や短期固定金利ローン等を組み合わせて借りるローンです。
ミックスローンのメリット
一般的に、固定金利は金利が高く、変動金利は金利が低い傾向があります。
固定金利を利用することで金利上昇リスクを抑え、変動金利などの低金利ローンを組み合わせることにより、借入額を増やすことができます。
また、長期と短期の固定金利を組み合わせることで働けるうち、若いうちに返済額を多くして、後のローン返済額を減らすこともできます。
固定金利でも、短期固定になれば長期固定よりも金利が低くなるため、総返済額を減らすことにもつながります。
●フラット35・民間ローンで利用可能
※フラット35とは、住宅金融支援機構の住宅ローンで、フラット35・フラット20・フラット50など長期短期固定金利型の商品です。フラットの後に続く数字は、最大借り入れ期間を意味します。
収入合算・ペアローン等の夫婦で借りるローンの注意点
夫婦で住宅ローンを借りた場合、最終的に持ち分を登記するときに【 共有名義 】となります。
持ち分の割合をはじめに話し合っておかないと、もめる原因にもなります。
現金で出した割合、住宅ローンの負担額など正しい割合で登記することが必要です。
また、奥様のご実家敷地内にご夫婦の家を建てる場合で、ご主人のみの住宅ローンを組む場合、金融機関によっては奥様の持ち分を少しでも入れてほしいというような話をされる場合があります。
いろいろなケースがあり、場合によっては現金を出したのに持ち分は一人になっているなど、贈与に当たるとみなされます。
初めてのことで分からないことが多くありますので、税務署や税理士などの専門家によく相談されることをお勧めします。