住宅ローンの金利上昇リスクの把握

金利は景気に左右されて動くもの

過去30年間の金利の変動を振り返ると、バブルの時期に変動金利が8.5%を記録しました。それ以降徐々に下がり、現在は2%半ばあたりを20年間保ってきています。

2007年におきた、サブプライムローン問題、2008年のリーマンショックに端を発した世界金融不況、2010年10月ゼロ金利政策の復活、2016年のマイナス金利政策など、住宅ローンに影響を与えるものがありました。

このようなその年その年に起きた事柄から金融市場の影響をローンは受けています。

住宅ローンの金利は何で決まる

変動金利

変動金利は一般的に「 短期プライムレート 」(優良企業に貸し出す金利)に代表される【 短期金利 】に連動されてきます。

 

 

固定金利期間選択型

短期間の固定金利期間選択型は「 2年、3年、5年、10年 」などに分かれ

それぞれの期間に応じた金融市場の金利の影響を受けるのが特長です。

 

長期固定金利 

長期固定金利は一般的に「 10年物国債利回り 」に代表される

【 長期金利 】に連動される傾向が強いのが特徴です。

 

住宅ローンの金利決定

住宅ローンの金利は、毎月金融機関が決定し月の初めに公表しています。その基準は店頭金利と呼ばれるものが指標になります。

民間金融機関やフラット35の金利などは、基本融資実行時点の金利が適用されます。

たまに、申し込みをした時点での金利と勘違いしてしまう方がおりますので注意をしておきましょう。

特に、フラット35など融資実行まで期間が長い場合は、金利動向が気になってくるでしょう。

一部の金融機関では、申し込み段階と実行段階のどちらか消費者に有利な金利を選択できる商品を持っているところもある。

 

引き下げ金利の見方

住宅ローンを検討する時に見かけることのある「 店頭金利 」

この店頭金利から○○%引き下げと言う「 引き下げ金利 」が表示されている金融機関があります。

店頭金利とは

市場の金利にあわせて各金融機関が設定する、住宅ローンの基準となる金利のこと。

引き下げ金利とは

今の期間は店頭金利に対して、○○%引き下げて融資しますよ。と言うキャンペーンのようなもの。

ここ何年も店頭金利は横ばいで、2.475%ぐらいを推移している。この店頭金利に対して、1.9%引き下げしますよ。←この引き下げ金利幅は金融機関によって様々。

よって、0.575%で貸し出します。という感じ。

金利引き下げには、主に2つのタイプがある

 

1.【 当初期間引き下げタイプ 】

当初の金利引き下げ幅が大きく、1.0%~2.0%程度の幅を持っている。その期間が終わると、引き下げ幅が小さくなる特長を持っている。

しかし、金融機関によってさまざまなので確認したほうが良い。

2.【 全期間一律引き下げタイプ 】

言葉の通り、全期間引き下げタイプ。全期間の為、当初期間引き下げタイプよりも、引き下げ幅は小さい商品が多い。

金利タイプの基本的な選び方

市場金利の動きによって、日々金利は動いています。

そうなると、どういった金利タイプの商品を選んだらいいのでしょうか。

金利上昇局面において、有利なローン、不利なローン

金利が上昇局面にあるときに選ぶローンは、全期間固定金利型、長期の固定金利期間選択型が有利とされている。

全期間や長期固定金利は、変動金利よりも高く設定されているので、借入れ当初に、固定を選択するのは結構勇気がいるものです。

しかし、変動金利を選んでおいて上昇局面が見えたら固定へ切り替えようと思っても、その時はすでに固定金利も上昇しています。

特に、変動と固定で見ると、固定金利のほうが市場にすばやく順応する性質があり、手遅れになることが大いにあります。

金利下降局面において、有利なローン、不利なローン

金利上昇局面とは逆で、下降局面においては固定金利型や長期固定金利期間選択型が不利に働く可能性が高い

その為、金利を追随できる変動金利型や短期の固定金利期間選択型を選ぶのが良いとされている。

将来の金利の動向は誰も判断することは出来ません。金融機関の担当者やローンアドバイザー・ファイナンシャルプランナーなどのアドバイスを受けるときがあるかと思いますが、最後は自分で判断する事になります。

一般的な世の中の指標(消費者物価指数・経済指数・国債・株価)などの動きを知ることで判断しやすくなるでしょう。