住宅購入初期段階ではほとんどの人が知らない保険の中身で節約

家の値段に気を取られて、保険の費用をないがしろにしていませんか?

今回の記事は、住宅に関係する「保険」についてのお話です。

購入する家次第では、保険料に200万円も違いがでてくることもあるんです。

下記では、その違いを紹介しています。事前に知っていれば回避できることばかりです。

自分の家を購入するときに、一番気になる項目は何ですか?

 

気になったハウスメーカーで建てたいなと思ったとき、最初に気になるのが、どのくらいの費用が掛かるのか?

そう!【いくら?】ということでしょう。

家の値段はハウスメーカーによってまちまち。坪単価30万円台から100万円以上なんて言う家まで。

家の値段も気になりますがその家を買うと、その他にどのような諸費用が掛かるのか?も気になるところです。

家の単価やデザイン・間取りなど、最初に目が行きがちな所を一旦止めて、家・土地以外にかかる、抜け落ちてしまいがちな【保険料】についてみていきましょう。

家の購入で必要な保険各種

 

住宅を購入すると、ほとんどといっていいほど「保険」が必要になってきます。もちろん加入しない方も中にはいるでしょう。しかし、もしものための「保険」ですから知っておいて【】はありません。

今回登場する保険は3つ

 

  1. 火災保険
  2. 地震保険
  3. 団体信用生命保険

火災保険で損を回避する

 

火災保険は、知っての通り火災について万が一のための保険です。

その保険内容に関しては、別記事で詳しくご説明しますが、今回お伝えしたいのは、家の構造等で火災保険料が大幅に違ってくるということをお話しします。

これを知らないで、値段やデザイン、設備、間取りなどの目に見えるところだけで家づくりを判断すると、火災地震保険合わせて

数百万も余計にお金を払うことがあります

 

火災保険は、住宅ローンを組む人は必須、組まない人もほとんど加入しているのではないでしょうか。

金融機関で融資を受けると、金融機関側から火災保険に加入するように言われます。融資機関ではお金を貸して、金利等で利益を出して運営しています。

その利益は返済から得ることになりますが、家が燃えてしまったら購入者は返済に困ることになります。

火災保険に加入していれば、燃えてしまったとしても保険金が支払われ、それで借り入れ金を返済することが可能になるからです。

※火災保険等は、金融機関・ハウスメーカー指定の損害保険会社から、かならずしも入る必要はありません。要件を満たしていれば、どこで加入しても大丈夫です。

家選びで保険料を数百万余計に払うことになる場合

 

火災保険料は、いくらの保険に加入するかで保険料は同じと思っていませんか。

もしそうであれば、危険ですここから先を読み進めてみてください。

火災保険料は、家の構造によって掛け金=保険料が変わります

一般的な戸建て住宅の火災保険

 

あなたが購入しようとしている家の構造は「何?」ですか。

火災保険料の掛け金の考え方は、構造別級の

  • T構造
  • H構造
  • M構造

に分かれます。

この構造種別によって、保険料が決まりますが一般的な用語でいうと

  • 木造
  • 鉄骨
  • 鉄筋コンクリート

に分かれます。

ここで一番注意したいのが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、火災のリスクが少ないと判断され、木造は火災リスクが高いと判断されるということです。

その木造住宅の選び方に注意が必要なんです。

構造級別

 

先述しましたが、構造別級は大きく3つに分類することになります。

  • T構造 ← 戸建て 鉄骨・鉄筋コンクリートなど
  • H構造 ← 戸建て 木造  問題はココ!
  • M構造 ← こちらはマンションやアパートについて

日本の戸建ては8割弱が木造住宅です。この木造住宅は【 H構造 】に当たります。

それ以外で【 T構造 】の建物は、鉄骨造・鉄筋コンクリート造になります。

 

問題となる数百万円単位で保険料が変わる点は、H構造にあります。

木造でも耐火性に優れた構造の場合は、T構造と判断されます。

耐火性に優れた木造のことを準耐火構造・省令準耐火構造と呼びます。

省令準耐火構造と一般木造の保険料相場の差

 

戸建て住宅の火災保険料相場(H構造

  • 一般木造
長期10年一括:保険料相場(火災・風災) 約90,000円~170,000円

 

戸建て住宅の火災保険料相場(T構造

  • 省令準耐火(準耐火)構造
長期10年一括:火災保険料相場(火災・風災) 約45,000円~85,000円

 

【条件サンプル】

  • 建物補償額:2000万円 / 契約年数:10年 / 床面積:100㎡
  • 所在地:東京都 / 物件:専用住宅 / 建築年月:2016.10
  • 保険料支払い方法:長期一括

 

上記の例で行くと省令準耐火構造と一般木造の10年間の金額差は最大85,000円となります。

60年保険を掛けると、最大510,000円開きが出ます。

火災保険の知っておきたい基礎知識

 

  1. 保険料の契約は1年から最大10年
  2. 10年など長期一括支払いで割引がある
  3. 1年をさらに月々支払いにすることで割増になる
  4. 1年ごとの更新では補償金額・内容を見直せる
  5. 住宅ローンを組む場合は必ず加入が必要
  6. 火災保険料は損保会社によってまちまち
  7. 木造でも省令準耐火であれば保険料が安い(約半分)
  8. 一般木造の火災保険料は高い
  9. 火災保険はどこで入ってもいい
  10. 火災保険会社によって、基本補償内容が違う
  11. 近所で火事発生のもらい火は自己負担
  12. 類焼被害も自分の保険でカバーできる
  13. 臨時費用は費用保険金でカバー
  14. 保険金が支払われると保険契約は終了(一部継続あり)

地震保険で損を回避する

 

火災保険に続いて、地震保険での損の回避法

地震保険は、火災保険とセットになって初めて入れる保険です。

地震保険料のおおもとには、火災に強いかどうかの判断が加味されます。

耐火なのか、非耐火なのか?

 

これは簡単に言うと、前述した構造等級でのH構造(耐火)T構造(非耐火)のことです。

耐火の構造等級の差による保険料の違い

 

先ほどと同じ東京都を条件として計算してみます。

地震保険料はどこで加入しても同じ保険料です。

 

戸建て住宅の地震保険料(T構造

1年間:地震保険料 1000万に対して 22,500円

 

戸建て住宅の地震保険料(H構造

1年間:地震保険料 1000万に対して 36,300円

火災保険と同じく60年で試算してみます。

1年で13,800円の違い

60年で828,000円の差となります

各都道府県の地震保険料については、【保険の話】地震保険の加入は必須!地震保険の基礎知識

更に保険料に差がつく!耐震等級の違いで50%OFF

 

上記で、耐火・非耐火による差が828,000円出ましたが、地震保険では耐震等級というものさしがあり、それにより最大50%の保険料が割り引かれます

耐震等級による地震保険料の割引率

 

2014年7月1日以降始期契約~

  • 耐震等級1:10%
  • 耐震等級2:30%
  • 耐震等級3:50%
  • 免震建物 :50%

 

最大割引耐震等級3もしくは免震建物を利用することで、

総額1,503,000円の差が生まれます。

火災保険と地震保険での構造選択による保険料差額200万円!

 

火災保険料と地震保険料の合計で2,013,000円の違いが生まれました。

今回の計算の条件は

  • 2000万円の建物に2000万円の火災保険
  • 2000万円の火災保険に対して上限の1000万円の地震保険
  • 構造は耐火住宅で耐震等級3もしくは免震建物の場合でした。

火災保険料・地震保険料ともに保険金額が高ければもっと高額な差が生まれます。

地震保険の知らなかった基礎知識

 

  1. 地震保険はどこで加入しても同一金額
  2. 建築場所により保険金額がかわる
  3. 耐火・非耐火で保険金額が驚くほどかわる
  4. 耐震性能により最大50%OFFになる
  5. 最大5年間の長期保険がある
  6. 年払いも可能
  7. 長期になると割引がある
  8. 月々は割増料金
  9. 控除対象項目になっている
  10. 火災保険に加入していないとはいれない
  11. 地震保険は火災保険金額の30%~最大50%まで
  12. 火災保険のみでは地震を原因とした火災に対応できない
  13. 液状化でも保険はでる
  14. 自動車の被害は地震保険では補償されない
  15. 地震保険加入率は全国平均29.5%(27年度末)
  16. 全壊しても最大で約半分の補償
  17. 保険金の支払いは全損・大半損・小半損・一部損の4区分

 

団体信用生命保険とは

住宅ローンを組むと、団信加入とか保険料の支払いとかわからない言葉が出てくるものです。

この団体信用生命保険は、住宅ローン専用の生命保険のことで、住宅ローンの借り入れの時に加入を条件としています。

団信に加入していれば、主債務者が死亡してしまったときや、高度障害になってしまったときに、保険会社が住宅ローンの残債を清算してくれるのです。

しかし、ローンの組み方によっては残債全額が清算にならない場合がありますので注意が必要です。

ローンの組み方の(ペアローン団信)記事はこちら

団体信用生命保険は保険料を別途払う?

一般的な金融機関の住宅ローンでは、団体信用生命保険は金利に含まれていることが多いです。

しかし、フラット35や一部金融機関では任意での加入が必要になりますので、別途保険料が必要になります。

注意点

フラット35では、平成29年10月より、団体信用生命保険がセットになります。その分、金利が今よりも上乗せになってくる予定です。

これまでのフラット35の団体信用生命保険は、住宅ローンとは別途の毎年支払いになっていました。

平成29年10月からのセットで、支払い忘れや別途支払うことでの団信用貯蓄を意識しなくて済むことになります。

利便性が上がりますね。

詳しくは、住宅金融支援機構のフラット35サイトを参照ください。

団体信用生命保険に加入したら、保険の見直しを

 

人生最大の買い物をした後には、余計な費用はかけたくないもの。

住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入したなら、現在入っている生命保険等を見直すことが重要になります。

特に死亡保障など、団信と重複する補償は無駄になります。

よくあるのは、住宅ローン借入者(債務者)ではなくても、配偶者がローン返済の助けをして生活費を稼いでいるような場合、万が一の時にその分の死亡保障が必要になってきます。

どちらかに万が一のことがあってもローン返済に影響がでてしまうと保険の意味が薄れてきてしまうのです。

ローンの組み方の(ペアローン団信)記事はこちら