住宅性能表示制度とは

住宅性能表示制度は

住宅の品質確保の促進等に関する法律=品確法

に基づく制度で平成12年4月1日に施行されました。

  • 新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を『 10年間義務化 』すること
  • 様々な住宅の性能を分かりやすく表示する『 住宅性能表示制度 』を制定すること
  • トラブルを迅速に解決するための『 指定住宅紛争処理機関 』を整備すること

住宅性能表示制度上のメリット

万一のトラブル発生時には紛争処理機関を利用できます

  • 指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)に紛争処理を申請することが出来ます。
  • 建設住宅性能評価書が交付された住宅の紛争1件当たり1万円の手数料で可能です。

住宅性能表示住宅は地震保険が優遇されます

  • 免震建築物割引 50%
  • 耐震等級3割引 50%
  • 耐震等級2割引 30%
  • 耐震等級1割引 10%

 

新築住宅の住宅性能表示制度

住宅の性能には10分野の安心をはかるものさしを決めています。

  1. 構造の安定(地震などに対する強さ)
  2. 火災時の安全(火災に対する安全性)
  3. 劣化の軽減(柱や土台などの耐久性)
  4. 維持管理更新への配慮(配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策)
  5. 温熱環境(省エネルギー性)
  6. 空気環境(シックハウス対策・換気)
  7. 光・視環境(窓の面積)
  8. 音環境(遮音対策)
  9. 高齢者等への配慮(高齢者や障害者への配慮)
  10. 防犯(防犯対策)

それぞれに等級があり、国のお墨付きのようなものです。

表示される等級は、数字が大きいほど性能が高いことを示しています。

住宅性能表示制度の仕組み

 

  1. 住宅性能表示制度は法律に基づく制度
  2. 住宅の性能に関する共通ルール(基準)が決まっています
  3. 第三者機関の公平な評価が受けられます

国土交通大臣が第三者機関を登録住宅性能評価機関として登録し、その機関は基準に沿った性能評価を行い、「 住宅性能評価書 」として交付します。

■住宅性能評価書

  1. 設計住宅性能評価書 : 設計図書段階の評価結果をまとめたもの
  2. 建設住宅性能評価書 : 施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめたもの

以上の2種類があり、それぞれにマークもあります。

料金は評価機関により決められています。

構造の安定に関すること

  • 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)
  • 耐震等級(構造躯体の損傷防止)
  • その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)
  • 耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)
  • 耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)
  • 地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法
  • 基礎の構造方法及び形式等

住宅に影響を受ける主な力

  • 地震
  • 暴風
  • 積雪

評価対象(構造躯体)

  • 主要な壁
  • 基礎

 

「損傷防止」「倒壊等防止」とは

■損傷防止

数十年に1回は起こりうる大きさの力に対して、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないようにすること

■倒壊等防止

数百年に1回は起こりうる大きさの力に対して、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないようにすること

火災時の安全に関すること

  • 感知警報装置設置等級(自住戸火災時)
  • 感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)
  • 避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)
  • 脱出対策(火災時)
  • 耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部)
  • 耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))
  • 耐火等級(界壁及び界床)

「 安全な避難を確保するための対策 」と「 延焼を防止するための対策 」

劣化の軽減に関すること

  • 劣化対策等級(構造躯体等)

通常想定される自然条件及び維持管理の条件の下

  • 等級3 : 3世代(おおむね75~90年)まで工事を必要とする期間の伸長対策
  • 等級2 : 2世代(おおむね50~60年) 同文
  • 等級1 : 建築基準法に定める対策

■木造住宅

水分や湿気による木材の腐朽やシロアリの被害を軽減する為の対策、工夫や材料の選択などの評価

■鉄骨造住宅

水分や大気中の汚染物質による鋼材のさびを軽減する為の対策、工夫や換気などの評価

■鉄筋コンクリート造住宅

水分や大気の影響による鉄器インのさびなどを軽減する為の対策、コンクリートの品質などを評価

維持管理・更新への配慮に関すること

  • 維持管理対策等級(専用配管)
  • 維持管理対策等級(共用配管)
  • 更新対策(共用排水管)
  • 更新対策(住戸専用部)

給排水管・給湯管及びガス管の点検や清掃、補修のしやすさの評価

 

温熱環境・エネルギー消費量に関すること

  • 断熱等性能等級
  • 一次エネルギー消費量等級

断熱等性能と一次エネルギー消費量の2つを表示すること

省エネ法に基づく「省エネルギー基準」「低炭素建築物認定基準」の水準に準拠

■断熱性能(外皮熱貫流率(W/(㎡・k))

天井・壁・床・窓に関する断熱

■一次エネルギー消費量(石油・石炭・天然ガス等)

照明・暖冷房設備・高効率給湯器・換気システム・太陽光発電等

※ 二次エネルギーとは住宅等で使用する電気、ガス、灯油、都市ガスなど

 

空気環境に関すること

  • ホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏等)
  • 換気対策
  • 室内空気中の化学物質の濃度等

住宅内の水蒸気や代表的な化学物質の濃度低減対策

  •  建材の選定
  •  換気方法
  •  化学物質の濃度測定を完成後に実施・評価

 

光・視環境に関すること

  • 単純開口率
  • 方位別開口比

住宅の窓などの開口部には

  •  日照
  •  採光
  •  通風
  •  眺望
  •  開放感
  •  やすらぎ

窓には上記のような、物理的な効果と心理的な効果があるとされています。

音環境に関すること

  • 重量床衝撃音対策
  • 軽量床衝撃音対策
  • 透過損失等級(界壁)
  • 透過損失等級(外壁開口部)

住宅の遮音性は、反射、干渉、共鳴、共振など不確定な要因の為、設計段階での正確な予測は困難という事を理解することが必要です。

高齢者等への配慮に関すること

  • 高齢者等配慮対策等級(専用部分)
  • 高齢者等配慮対策等級(共用部分)

建物の工夫、新築時からのバリアフリー計画の必要性

  •  移動時の安全性
  •  介助の容易性

 

防犯に関すること

  • 開口部の侵入防止対策

住宅の防犯性を向上させる4つの原則

  • 周囲からの見通しを確保する
  • 居住者の帰属意識の向上・コミュニティ形成の促進
  • 犯罪企図者の動きを限定し接近を妨げる
  • 建物の部材や設備を破壊されにくいものとする

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