世界で起こるM5地震の10%が日本
マグニチュード5.0以上の地震が日本で起きた数は、世界で起こる地震の10%といわれています。
国土面積が全世界の0.28%しかない日本としては常に地震が起きているイメージです。
日本に住んでいると慣れてしまっている感のある地震ですが、体験した事のない国外の方からすると、天変地異が起きたくらいに感じるそうです。
でも、そのくらい地震大国となっている日本は、ある意味一番地震に対しての対策がとられている国でもあります。
地震の被害にあっていない国で、突如大きな地震が起きると死傷者が物凄く多くなります。
地震に対して耐震や制振・免震と言う概念が少ない為、建物に対する耐性がないことからでしょう。
そして日頃の備えも、いざと言う時に役立ちます。
日本には地震保険と言う万が一の時の保険も存在します。
現在加入率がどんどん増えています。投資の世界のNo.1であるバークシャーハサウェイのバフェットが日本の地震再保険事業に投資を検討しているという話もあるくらいです。
耐震等級とは?
地震の多い国日本では耐震に対する等級が3段階で決められています。これは、品確法の住宅性能表示での構造安定性能について定めたものです。
この耐震等級は、住宅メーカーが決めることではなく家を建てる人が決めることが出来ます。これを知っていると知らないとでは、安全性や住宅コストに響いてきます。
住宅注文者の要望で、こういった間取りが良いというと、そのまま絵に起こし耐震等級に関してはあまり検討しないで好きな間取りを描くような時は要注意です。
一見要望を図面にしてくれる親切な設計さんとお思いになるかも知れませんが、耐震強度をしっかりと満たした家づくりも視野に入れるように話をしてください。
耐震等級の目安
耐震等級1
建築基準法レベルの建物強さ
数百年に1度程度発生する地震力に対して倒壊・崩壊しないレベル
倒壊:数百年に1度発生する地震(東京では震度6から7程度)の地震に対して倒壊・崩壊しない
損傷:数十年に1度発生する地震(東京では震度5強程度)の地震に対して損傷しない程度
耐震等級2
建築基準法(耐震等級1)の1.25倍の建物強さ
数百年に1度程度発生する地震力の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊しないレベル
このレベルになると、避難所として指定されるくらいの強さを得ます
学校などの建築物がこの基準レベルになります。
耐震等級3
建築基準法(耐震等級1)の1.5倍の建物強さ
数百年に1度程度発生する地震力の1.50倍の力に対して倒壊・崩壊しないレベル
このレベルは、消防署のような災害時に被害にあってはならないレベルともいわれます。
災害時の避難場所に指定されるのはもちろんです。
言葉の解釈として難しい【倒壊・崩壊】しないレベルとは
さらっと流して聞くと、大変安全なレベルと聞いてしまいそうですが実は違います。
倒壊・崩壊しないという事は、倒れたり・崩れたりはしないが傾いたりはしますよ。
という事です。ここ大事ですね。詳しく言うと↓
国土交通省 住宅性能表示制度では
国土交通省では、構造躯体の強さを【損傷防止】【倒壊等防止】という2つの目標が達成できるような構造躯体の強さの確保を示しています。
【損傷防止】とは
数十年に一回は起こりうる(一般的な耐用年数の住宅も遭遇する可能性は高い)大きさの力に対して、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないようにすること。
【倒壊等防止】とは
数百年に一回は起こりうる(一般的な耐用年数の住宅では遭遇する可能性が低い)大きさの力に対して、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないようにすること。
数百年に1度程度発生する地震力とは
●数百年に1度程度発生する地震力とは
東京を想定した場合に、気象庁の震度階で震度6強から7程度に相当
過去の地震で表すと:関東大震災や阪神淡路大震災レベル
●数十年に1度程度発生する地震力とは
東京を想定した場合に、気象庁の震度階で震度5強に相当
建築基準法レベルとはどのくらいのレベルなのか
建築基準法に制定されている建物とは【想定される地震】と【被害】を次のように言っています。
小学校や消防署のレベル
建物が倒壊しないレベルとは 傾きはするが倒壊までは行かない!
これって住めるの?
昭和56年(1981年)以前の建物に被害が集中した【阪神淡路大震災(1995年)】では旧耐震基準の70%近くの建物が多くの被害を受けたのですが、昭和56年(1981年)以降の新耐震基準で建てた建物への被害は30%を割りました。
2016年の4月に起きた、熊本地震でも
旧耐震基準1981年以前の建物 702棟のうち225棟が倒壊
新耐震基準1981年以降の建物1042棟のうち 80棟が倒壊
と言う結果が見えます。これを率で表すと
旧耐震基準が32.1%倒壊
新耐震基準が7.6%倒壊
という結果が出ています。
新耐震基準で建築した建物も80棟倒壊という現実(データ)からも耐震等級は高いほうが安心といえます。
新耐震基準が制定されてから35年以上経過
現在の耐震基準は、1978年6月に発生した宮城県沖地震のマグニチュード7.4を受け、1981年に改正された建築基準法に基づいています。これは、震度5強の地震でほとんど損傷しないこと。震度6~7の巨大地震でも倒壊や崩壊しないことを目安としているんです。
1981年(昭和56年)以降、新耐震基準(正確には6月1日施行以降の建築確認から)
阪神淡路大震災(1995年)を越した後
2000年に木造建築物の耐震基準をより強固にする改正が行なわれる
新築時の地盤調査の義務化 耐力壁のバランス 筋交いや柱を金物で留める種類の明確化
東日本大震災(2011年)
熊本地震(2016年)
これらの地震の経験を元に実大実験をした結果が反映された耐震技術を駆使した建物を作れる会社が安心。耐震等級3だから安心ではない!と言うことも言えます。
家自体の耐震性を上げても、建てる土台となる基礎や地盤がモノを言います。
しっかりとした地盤調査や古地図などの昔の地形等で判断していくことも重要です。
最近のハウスメーカーのテレビCMでは耐震実験の様子を流す所が増えました。
耐震実験装置は、日本各地で施設がありますがギネスブックに世界最大級として載っているE-ディフェンスという3D実験装置が日本にはあります。
耐震等級2で建てたけど耐震等級2ではない地域がある理由【地震地域係数】とは