住宅ローン変動金利と固定金利の総支払額はどちらが多い?

永遠の課題! 変動金利VS固定金利

 

住宅ローンを借りる際に【変動金利】にするべきか?【固定金利】にするべきか?

この悩みはいつの時代もついてまわります。

そこで皆さん計算しているかもしれませんが、変動金利と固定金利での返済額にどのくらいの差が生まれるのかをシミュレーションしてみました。

変動金利と長期固定金利の支払額の違い

シミュレーション基本情報

変動金利(民間金融機関利用)

借入金額:2500万円  変動金利:0.625%(当初金利)

期間:420回(35年)  元利金等

計算上の条件:5年ごとに0.2%上昇したと過程

 

長期固定金利(住宅金融支援機構:フラット35S)※1

借入金額:2500万円  固定金利:当初10年 1.26% 残期間1.56%

期間:420回(35年)  元利金等

計算上の条件:35年固定金利

※1:当初10年間金利優遇のフラット35S 9割超融資

変動金利VS長期固定金利

変動金利(民間金融機関)   長期固定金利(フラット35S:住宅金融支援機構)
借入年数 金利 返済額 借入年数 金利 返済額
0.625% 66,286 1.260% 73,641
0.825% 68,235
10 10
11 1.025% 69,900 11 1.560% 76,293
16 1.225% 71,264
21 1.425% 72,309
26 1.625% 73,023
31 1.825% 73,390
35 1.825% 73,360 35 1.560% 76,293
利息合計 2,953,879 利息合計 6,724,816
総支払額 28,953,879     総支払額 31,724,816
変動金利総額と固定金利総額の差額は270万円以上となりました。

今回、変動金利0.625%(5年ごとに0.2%上昇)と長期固定金利(フラット35S:9割以上)2017年4月金利で計算してみました。

変動金利は、その名の通り変動しますので金利が読めません。その為、5年ごとに0.2%づつ金利上昇を迎えたという想定で計算しています。

過去の変動金利の推移は20年以上変化なし

変動金利の住宅ローン金利は、バブル崩壊の平成3年当たりから下がり始め、平成7年くらいから現在まで20年以上ほとんど変化がありません

その為、5年ごとに0.2%の上昇があるかどうかも定かではありませんが、シミュレーション上の想定金利として計算しています。

固定金利は、ゼロ金利政策やマイナス金利政策の影響を受けて2016年7月ごろに最低金利を出しました。

2017年に入り少し上昇していますが、低い金利には変わりありません。

変動金利の上昇率が5年ごとの0.2%程度であれば、総支払額で固定金利を抜くことはありません。

変動金利が270万円以上総支払額が低い

今回の条件で行くと、変動金利と固定金利(上記表参照)では2,770,937円変動金利のほうがお得と言う結果になりました。

長い期間変動金利もほぼ変わっていないことを加味すると、更に総支払額の差が開くことになります。

あとがき

変動金利と固定金利で借りるかは、ローンシミュレーションをして損益分岐点を把握しておく必要があります。

金利変動はプロでも判断は出来ません。結果が出てから出ないと分からないからです。

過去20年以上金利変動がほぼ無いことを踏まえると、今後余程の好景気にならない限り金利上昇が極端に上がるという事は考えにくいでしょう。

また、金利が上昇するという事は銀行への預け入れ金利も上昇し、給与所得も増えるという事です。

現在の給与水準で、返済額のみ上がってしまうという事は考えにくく、世の中の住宅ローンを変動金利で選択している割合は7割ほどいることも踏まえ、相当数の方が金利上昇にあえぐことは国として経済がまわらないことを表します。

どうしても、変動と固定の金利を選ぶことが出来ないと言う方は、リスク分散という意味でも、ミックス金利を利用するほうがいいでしょう。

フラット35でも、Wフラットというフラット35とそれよりも金利が低く、返済期間が20年未満のフラット20を合わせる商品も出ています。

次回、変動金利と固定金利の損益分岐点を探っていきます。

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