ハウスメーカーの断熱性能UA値と省エネルギー基準比較!【トヨタホーム編】

トヨタホームの公式ホームページを覗いてみると、断熱性能UA値については、各地域の省エネルギー基準を参考に、それ以下になるように設計する!?ような提案をする内容になっています。

それって、省エネルギー基準をクリアするくらいに頑張りますよ。っていうくらいのことにしか聞こえなくてちょっと残念ですが、本当の所はどうなんでしょうか。

このご時世、ハウスメーカーで建てた人だけじゃなく、建築日記のようにマイホーム記録を世に発信している人が多くいます。

中には、あまり情報が出てこない、「ブログ規制」を敷いているハウスメーカーもあるようですが、その辺も含めてトヨタホームの断熱性能の実態を見ていきたいと思います。

トヨタホームの断熱性能【UA値】

トヨタホーム
断熱性能【UA値】
省エネルギー基準レベル

トヨタホームでは、モデルハウス(実験棟)の断熱性能、要はカタログ値ってものを発表していない様子です。

車の燃費でも、カタログ値と実燃費に大きく差が開いているのが現状ですので、住宅についてもそのようなとらえ方なのでしょう。

しかし、2020年に省エネルギー基準が義務化されることが分かっているので、その基準は守らなくてはいけません。

なので、トヨタホームの公式ホームページにも下記のような記載の仕方で載っています。

トヨタホームが示している、3地域~6地域

  • 3地域:盛岡 等
  • 4地域:仙台 等
  • 5地域:つくば 等
  • 6地域:東京 等

の地域を指しています

等級4レベルと言うのは、2020年に義務化される省エネ基準となる断熱性能(UA値)を指します。義務化されると、省エネ基準が最低基準となりますので、これを超えているのは当たり前になります。

今までで考えると、等級4はトップクラスですが、それ以上の基準を備えていなかっただけで、高断熱住宅をつくっているハウスメーカーは、等級4以上のZEH基準住宅、さらに上のHEAT 20 というレベル、LCCM住宅(Life Cycle Carbon Minus:ライフサイクルカーボンマイナス住宅を視野に動いています。

トヨタホームの実際の断熱性能(UA値)は!?

 

トヨタホーム公式ホームページに、上記のような、光熱費の違いを表すグラフを見つけました。

これによると、UA値を0.58仕様(モデルプラン)とあり、5・6地域の省エネルギー基準UA値0.87を上回る性能で紹介しています。

ただ、この数値はカタログ値になると思いますので、実際とはズレがあると判断するのが賢明です。

トヨタホームで建築した方のブログ

トヨタホームで建築して約2年経過している方のブログで、断熱性能(UA値)と気密性能の計測結果が公表されていました。

トヨタホームのC値とUA値

先日竣工立会時に測定した気密性能C値の最終結果が出た。また、玄関ドアをK4からK2仕様に変更したので少しだけ断熱性がよくなり、断熱性能UA値も修正された。ここで最終結果を発表!

  •  相当隙間面積 C値 1.8 cm2/m2
  •  外皮平均熱貫流率 UA値 0.69 W/m2K

※引用「考えて考えて作ったマイホーム」さんのブログより

考えて考えて作ったマイホーム」さんの電気代報告記事では、かなりの電気代がかかっていることが分かります。

上記で紹介した、光熱費の違いを表すグラフのUA値は、0.58なので「考えて考えて作ったマイホームさんの家のUA値とは違いますが、あまりにも違いがあるのでビックリしました。8月の電気代だけで、45,000円近くも行っています。

導入設備によっても変わってくるものと思いますが、光熱費は掛かりやすい傾向にあるのかもしれません。

この方、電気代の他にガス使っているようすですので、光熱費でかなりの出費をしていらっしゃるみたいです。

トヨタホーム「屋根裏」断熱仕様

トヨタホームの天井の断熱材はグラスウールを210mm敷き詰めた感じですね。

グラスウールの密度がどのくらいのものを採用しているかまでは分かりませんでしたが、壁の断熱材として、高性能グラスウール16kと記載しているので、それ同等もしくは、それ以下なので記載なしなのか?でしょう。

トヨタホームの「壁」断熱仕様

天井裏の断熱仕様と違い、壁の仕様はしっかりと記載しています。

多くのメーカーに言えることですが、なぜか端折って記載している所があるんですよね。

気になる壁の断熱仕様は・・・

メインに高性能グラスウール16kを100mm使用。

トヨタホームは、構造が鉄骨になるので、熱橋対策として内壁側に硬質ウレタンフォーム、外壁側にポリエチレンフォームを付けて、熱橋対策を施しています。みる限りかなり薄いもののようですが、ないよりはマシ位の感覚ですね。

トヨタホームの「床下」断熱仕様

床下の断熱の仕様は・・・

硬質ウレタンフォームを35mm採用。そして、パーティクルボードを20mm。

パーティクルボードは基本的に、下地材になるので多少の断熱効果はありますが、断熱材ではありません。

硬質ウレタンフォーム自体は高性能なものに間違いありませんが、35mmという薄さが気になります。冬場はかなり底冷えしそうな感じがしますね。

他社の断熱仕様も比較検討したほうが良いと思います。

トヨタホームの「窓」断熱仕様

ほとんどのハウスメーカーが採用をしている、アルミ樹脂複合サッシをトヨタホームでも採用しています。

ペアガラスが標準ではありますが、中間層には、空気層かアルゴンガスのどちらかとなりそうです。

建築地の地域区分によって使い分けているのだと思いますが、温暖地域である5・6地域でも、アルゴンガスを採用したほうが、より快適性、経済性が高まりますね。

「省エネルギー基準」と「ZEH基準」については、下記に記載しました。

参考:トヨタホーム公式ページ 家づくりの技術>断熱性

省エネ基準を上回るトヨタホームのZEH(ゼッチ)

ZEHとは!?

ZEHとは「快適な室内環境」と、「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅のこと。

参考資料:ZEH ロードマップ News Release

国は、2030年までに新築の平均でZEH住宅を普及させる目標を掲げています。

下記画像はトヨタホームがどのくらいZEH住宅の普及に力を入れているかが分かる表です。これを提供しているのは、一般社団法人 環境共創イニシアチブ、通称Sii(シー)

【データの見方】

2016・2017は目標と実績、2018年以降は目標数値

  • 登録種別  A = 北海道
  • 登録種別  B = その他都府県

上記画像が小さく見えずらい場合は、こちらからSiiのページが開きます。

内容をみると、2016年、2017年に掲げた目標と実績数値、そしてそれ以降の目標数値が掲げられています。

登録種別Aの北海道は、トヨタホームが展開していないエリアになるので登録なしですね。

登録種別Bの北海道以外の都府県では、トヨタホームが提供しているZEH住宅は全体の11%と低い実績となっています。

 

トヨタホームの断熱性能Q値:次世代省エネルギー基準

義務化前の基準「次世代省エネルギー基準」の断熱性能Q値を参考に掲載します。

  • 標準仕様 Q値 = 1.86

この次世代省エネルギー基準時代のQ値は、家自体の性能を表しているものなので、UA値で関係してくる日射量や省エネ設備を除いた純粋な家の断熱性能です。

今でも十分に断熱性能を語る上では通用する基準ではないでしょうか。

下記にて、「次世代省エネルギー基準」を義務化基準となる「改正省エネルギー基準」と「ZEH住宅基準」と並べ分かりやすく表にしました。

義務化省エネルギー基準とZEH基準

ハウスメーカーが提示する、断熱性能UA値がどのような基準で成り立っているのかを知らないと、そのハウスメーカーが優れた性能を装備しているのかどうかが分かりません。

テレビCMやブランドイメージに感化されてしまうと、客観的な数字を見れなくなってしまいます。

そのため、2020年に義務化される「省エネルギー基準」と国が推奨している基準「ZEH基準」また、参考に基準単位がQ値時代の「次世代省エネルギー基準」を紹介します。

断熱基準 基準単位 地域区分
改正省エネ基準 UA値 0.46 0.56 0.75 0.87
ZEH基準 UA値 0.4 0.5 0.6
次世代省エネ Q値 1.6  1.9  2.4  2.7 3.7

地域区分の見方

  1. 旭川
  2. 札幌
  3. 盛岡
  4. 仙台
  5. つくば
  6. 東京
  7. 鹿児島
  8. 那覇

トヨタホームの断熱性能(UA値)まとめ

トヨタホーム
断熱性能【UA値】
省エネルギー基準レベル

トヨタホームでは、モデルハウスを例にした断熱性能(UA値)を公表していませんが、省エネ基準レベルの住宅を建築している様子です。

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