セキスイハイムの商品構成は
- 「鉄骨系」
- 「木質系」
の2つに分かれます。
セキスイハイムといえば、工場生産というイメージが強く精密さにおいては群を抜いた精度を提供しています。
これまでの住宅業界は、工場で生産した家というものを受け入れがたい心情がありましたが、昨今の生活環境の変化がセキスイハイムの企業理念に合ってきたようにも思います。
セキスイハイムは鉄骨住宅のイメージが強く、木質系の商品名はあまりなじみがないかもしれませんが、2×6(ツーバイシックス)工法の「グランツーユー」と呼ばれる商品があります。この商品グランツーユーは断熱性能が高い商品として人気を得ています。
断熱性能は、鉄骨より木造(木質)の方が数値として出やすい傾向があるのですが、セキスイハイムも同じで、暖かい家を求めるならば、グランツーユーを選択することになるでしょう。
では、実際の断熱性能はどのくらいなのか、鉄骨系と木質系を比較しながら、省エネ基準とZEH住宅基準を合わせて見ていくことにしましょう。
他社の断熱性能ランキングは・・・
セキスイハイムの断熱性能【UA値】
セキスイハイム | |
商品 | 断熱性能【UA値】 |
【鉄骨系】ハイム | 地域区分3=0.56 その他地域=0.6 |
【木質系】グランツーユー | 0.46 |
セキスイハイムの「鉄骨系」の断熱性能は、UA値0.60になっています。
この数値は、国が求める省エネルギー基準の次にあたる「ZEH住宅基準」に適合する性能です。(ZEH住宅基準については、最後に紹介しています)
青森・秋田に関しては、UA値=0.56となり、ZEH住宅基準は満たしていませんが、省エネルギー基準同等となっています。
また、北海道仕様については、省エネルギー基準であるUA値=0.46、ZEH住宅基準であるUA値=0.4をクリアしたUA値=0.36をモデルプランで出しています。使用している断熱材もより高性能なものを使用して対応しているようです。
※スマホ画面では、右にスクロールします。
セキスイハイムの高気密・高断熱の理由を3つのポイントで紹介しています。
- 工場生産で実現できる優れた気密性・断熱性
- 高断熱のアルミ樹脂複合サッシを採用
- 基礎断熱を標準仕様
鉄骨の弱点にもなる気密性は、一般的なハウスメーカーと変わらないC値=2.0と公式では言っています。さらに、2.0を超える場合もあるということにも言及しています。
以前の省エネルギー基準では、気密性が明示されていましたが、現在は必要がない項目となりました。気密性、C値=2.0と出しているハウスメーカーは、とりあえず出しているというところがほとんどです。
断熱性能はUA値=6.0を出しているので、ZEH基準をクリア。
窓については、アルミ樹脂の複合サッシを採用するよりも、樹脂サッシを採用したほうがいいことが分かっているので、これも特段自慢する程の性能はないと思われます。
ただし、木質系の【グランツーユー】では気密性能C値=0.99を出しているので、特筆すべき点になっています。
下記で、詳細を見ていきましょう。
セキスイハイム【鉄骨系】の断熱仕様
断熱仕様
外壁 | グラスウール16k | 100mm(厚み) |
天井 | グラスウール16k | 140mm(厚み) |
床 | ポリスチレンフォーム | 110mm(厚み) |
より断熱性能を高めるには、グラスウールよりも熱伝導率の良い断熱材を選択することができるはずなので、今以上に高めようとすればできない技術ではないと思います。
窓仕様
セキスイハイムが採用している窓の仕様は、U値=2.33の日本の窓基準では最高等級になっている数値ですが、アルミ樹脂複合サッシで、ガラス面は複合(ペア)ガラスという仕様は、高気密高断熱住宅ではあまり使われなくなってきた性能の低い窓です。
比較対象のシングルサッシとの差が2.8倍もある、と記載されていますが、そもそもの比べる土俵が使われることのない窓になっているので、初めて住宅を検討する人が見ると勘違いしてしまう表記となっているのが残念です。
特に、寒さを何とかしたいという方は、窓の仕様をグレードアップしてもらうようにする必要があります。
現在日本で採用できる、性能の良い窓は下記「樹脂サッシの断熱性能ランキングと世界の窓基準」を見て、採用できるかどうかを確認してみてください。
窓の性能U値を1.0前後にするだけでも、とても快適な住空間を作ることができます。
これは、リフォーム分野でも2重窓にすることで断熱性を上げ、コールドドラフトを起こさせないようにすることで、寒さ暑さをしのげることからも有効です。
窓の性能については、樹脂サッシの断熱性能ランキングと世界の窓基準をご覧ください。
参考:コールドドラフトをWikipediaで調べる
セキスイハイム【木質系】グランツーユーの断熱仕様
セキスイハイムの断熱仕様【グランツーユー】
外壁 | 高性能グラスウール 16k | 140mm(厚み) |
天井 | 高性能グラスウール 16k | 200mm(厚み) |
床 | 高性能グラスウール 16k | 140mm(厚み) |
鉄骨系の断熱仕様よりも、厚みを増しているのが分かります。そのため、家全体のUA値も上昇し、断熱性能が高まっています。
窓仕様【グランツーユー】
窓の仕様に関しては、鉄骨系と同じ「アルミ樹脂サッシ複合ガラス」が採用されているようです。
- 外側アルミのサッシ枠に、内側樹脂のサッシ枠
- ガラスは複層(ペアガラス)で中間層はドライエアー
- サッシスペーサーは、アルミ製
窓の性能を表すU値=2.33となっている様子です。
窓の仕様が、鉄骨系と同じにもかかわらず、気密性が木質系の方が断然良いのは、やはり構造体の要因が大きいことが分かります。
同じ換気システムを利用しているわけなので、熱交換率も換気量も気密の取れているグランツーユーの方が計画的にできていることでしょう。
比較となる「省エネルギー基準」と「ZEH基準」については、下記に記載しました。
以上詳細は、セキスイハイムの公式ページ住まいの性能 > 気密・断熱仕様より
省エネ基準を上回るセキスイハイムのZEH(ゼッチ)
ZEHとは!?
ZEHとは「快適な室内環境」と、「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅のこと。
国は、2030年までに新築の平均でZEH住宅を普及させる目標を掲げています。
セキスイハイムは、どのくらいZEH住宅の普及に力を入れているのでしょうか。それが分かるのが、一般社団法人 環境共創イニシアチブ、通称Sii(シー)で見れる目標と実績。
【データの見方】
2016・2017は目標と実績、2018年以降は目標数値
- 登録種別 A = 北海道
- 登録種別 B = その他都府県
上記画像が小さく見えずらい場合は、こちらからSiiのページが開きます。
セキスイハイムのZEH目標実績内容をみると、2016年、2017年に掲げた目標と実績数値、そしてそれ以降の目標数値が掲げられています。
登録種別Aの北海道では、2017年の実績が7%になっています。注文住宅で「ZEH住宅」を提供した実績が、7%だったということ。
登録種別Bの北海道以外の都府県では、積水ハウスが提供しているZEH住宅は全体の50%と、国の考えるZEHロードマップで言う、新築の半分をZEH住宅にするという目標を達成しています。
これは、大手メーカーの中でも実績を出している方でしょう。
この表から読み取ると、セキスイハイムは2020年までにZEH基準住宅を65%の目標と設定していることから、すでにZEH住宅の基準である0.60を満たす住宅を多く供給していることが分かります。
セキスイハイムの断熱性能Q値:次世代省エネルギー基準
義務化前の基準「次世代省エネルギー基準」の断熱性能Q値を参考に掲載します。
- 鉄骨系 Q値 = 2.1
- 木質系 Q値 = 1.6【グランツーユー】
この次世代省エネルギー基準時代のQ値は、家自体の性能を表しているものなので、UA値で関係してくる日射量や省エネ設備を除いた純粋な家の断熱性能です。
今でも十分に断熱性能を語る上では通用する基準ではないでしょうか。
下記にて、「次世代省エネルギー基準」を義務化基準となる「改正省エネルギー基準」と「ZEH住宅基準」と並べ分かりやすく表にしました。
義務化省エネルギー基準とZEH基準
ハウスメーカーが提示する、断熱性能UA値がどのような基準で成り立っているのかを知らないと、そのハウスメーカーが優れた性能を装備しているのかどうかが分かりません。
テレビCMやブランドイメージに感化されてしまうと、客観的な数字を見れなくなってしまいます。
そのため、2020年に義務化される「省エネルギー基準」と国が推奨している基準「ZEH基準」また、参考に基準単位がQ値時代の「次世代省エネルギー基準」を紹介します。
断熱基準 | 基準単位 | 地域区分 | |||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||
改正省エネ基準 | UA値 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | ー | |||
ZEH基準 | UA値 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | |||||
次世代省エネ | Q値 | 1.6 | 1.9 | 2.4 | 2.7 | 3.7 |
地域区分の見方
- 旭川
- 札幌
- 盛岡
- 仙台
- つくば
- 東京
- 鹿児島
- 那覇
セキスイハイムの断熱性能(UA値)まとめ
セキスイハイム | |
商品 | 断熱性能【UA値】 |
【鉄骨系】ハイム | 地域区分3=0.56 その他地域=0.6 |
【木質系】グランツーユー | 0.46 |
セキスイハイムでは、鉄骨・木質ともに販売をし類似資材を使用しているため、木質(木造)の方が断熱性能がよく、気密性能が良い家が作れることが分かります。