ハウスメーカーの断熱性能UA値と省エネルギー基準比較!【クレバリーホーム編】

 

クレバリーホームは新昭和が展開する、フランチャイズチェーン。北は北海道から南は沖縄まで、各地の工務店等がクレバリーホームの商品を扱うことで成り立っています。

新昭和といえば、直営でウィザースホームを展開している会社ですね。

この親会社では、断熱性能を公式ページで発表しているのですが、フランチャイズのクレバリーホームでは、断熱性能を公式に発表していません。

これは、フランチャイズチェーンという、工務店等が施工をする違いがあるからなのでしょうか。

では、クレバリーホームの断熱性能を見ていきましょう。

クレバリーホームの断熱性能【UA値】

クレバリーホーム
断熱性能【UA値】
標準仕様公表なし 予想UA値=0.6(4・5・6・7地域)
ENELITE(エネリート)のUA値=0.28(実験棟公表値)

クレバリーホームが使用する断熱材

クレバリーホームが標準採用している断熱材は、繊維系グラスウールと、押出法ポリスチレンフォームがメインです。

特別仕様(エネリート)などを除き、一般的な断熱性能を公式に発表していませんが、ZEH住宅となる、スマートエブリの断熱仕様を見ていくとUA値=0.6程度と表現されています。

クレバリーホームの壁断熱仕様

クレバリーホームは、木造軸組み工法となるので、内断熱となります。その断熱材は、無機質繊維系断熱材マット100mmを使用しています。

無機質繊維系なので、一般的なグラスウールもしくはロックウールになるのでしょう。フランチャイズチェーンで工務店が扱いやすいとすれば、ほぼグラスウールかと思います。

※建築するエリアにより仕様が変わるとの表記もあるので、使われる断熱材の密度が変わるものと思われます。

以下グラスウールの密度による、性能比較(JIS規格)

材料名 熱伝導率 密度(㎏/㎡) 対応規格
住宅用グラスウール断熱材 10k相当 0.050 10 JIS A 9521 文献
16k相当 0.045 16
20k相当 0.042 20
24k相当 0.038 24
32k相当 0.036 32
高性能グラスウール断熱材 16k相当 0.038 16
24k相当 0.036 24
32k相当 0.035 32
40k相当 0.034 40
48k相当 0.033 48
吹込み用グラスウール断熱材 13k相当 0.052 13 JIS A 9523
18k相当 0.052 10
30k相当 0.040 30
35k相当 0.040 35

高断熱仕様となる「ENELITE(エネリート)」(UA値=0.28)では、標準仕様プラス、外側にはフェノールフォーム断熱材1種2号CIIを配した2重の断熱構造を採用。更に遮熱シートを施工。

クレバリーホームの天井裏断熱仕様

屋根断熱と天井裏断熱とありますが、クレバリーホームは天井裏断熱を採用しています。

根太などの凹凸がある屋根裏には、ブローイング工法で繊維系断熱材を厚さ200mmにして吹き込んでいます。

高断熱仕様となる「ENELITE(エネリート)」(UA値=0.28)では、屋根裏に300mmのブローイングをして性能を高めています。

クレバリーホームの床下断熱仕様

クレバリーホームの標準仕様では、床下断熱をしています。押出法ポリスチレンフォーム3種を65mm使用

素材(JIS規格) 種別 熱伝導率 密度
A種押出法ポリスチレンフォーム保温版  1種a,b 0.040 20
 2種a,b 0.034 25
 3種a,b 0.028 25

高断熱仕様となる「ENELITE(エネリート)」(UA値=0.28)では、基礎外周部に断熱材を50mm施す仕様となってきます。

クレバリーホームの窓仕様

クレバリーホームの窓仕様は、アルミ樹脂複合サッシにアルゴンガスを充填したタイプを採用。Low-Eガラスとなっているので遮熱性能も兼ね備えています。

大手でも、中間層はドライエアーを採用している所を見ると、コストパフォーマンスは若干高い気がします。

高断熱仕様となる「ENELITE(エネリート)」(UA値=0.28)では、樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラス。住まいの断熱性能に大きく影響する窓には、断熱性に優れた「樹脂サッシ」と「アルゴンガス入りLow-Eトリプルガラス」を採用。

ドライエアー、アルゴンガス、クリプトンガスの熱伝導率(U値)は以下の表の通り。

素材 熱伝導率
ドライエアー 0.024
アルゴンガス 0.016
クリプトンガス 0.009

クリプトンガスは、ドライエアーの2.6倍、アルゴンガスの1.7倍の熱伝導率の低さ。

樹脂サッシ枠

日本の住宅には、アルミサッシが多く普及してきました。今現在も安価なコストで手に入る窓は、アルミ枠のサッシとなっています。そのデメリットを補うべく、半分アルミ、半分樹脂などの「アルミ樹脂複合サッシ」が出ていますが、どうしても結露が引き起され、家の窓には不向きと言わざるを得ません。

樹脂製スペーサー

見落としてしまいがちな点ですが、ガラスとガラスの間を支えるスペーサーがありますが、一般的に使用されているのがアルミスペーサー。

しかし、樹脂サッシ枠と同じで、熱伝導率が1/1000ですから、言うまでもない性能差になります。

 

「省エネルギー基準」と「ZEH基準」については、下記に記載しました。

省エネ基準を上回るクレバリーホームのZEH(ゼッチ)は標準性能

ZEHとは!?

ZEHとは「快適な室内環境」と、「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅のこと。

参考資料:ZEH ロードマップ News Release

国は、2030年までに新築の平均でZEH住宅を普及させる目標を掲げています。

クレバリーホームでは、ZEHに対応する商品として「スマートエブリZERO」を商品として出しています。

下記画像は一条工務店がどのくらいZEH住宅の普及に力を入れているかが分かる表です。これを提供しているのは、一般社団法人 環境共創イニシアチブ、通称Sii(シー)

【データの見方】

2016・2017は目標と実績、2018年以降は目標数値

  • 登録種別  A = 北海道
  • 登録種別  B = その他都府県

上記画像が小さく見えずらい場合は、こちらからSiiのページが開きます

内容をみると、2016年、2017年に掲げた目標と実績数値、そしてそれ以降の目標数値が掲げられています。

クレバリーホームのそれを見てみると、2016年2017年ともに、目標値に大きく届かず、市場のニーズと合っていないように感じます。

しかし2018年4月24日に、株式会社 新昭和FCパートナーズ クレバリーホームFC本部から「ENELITE(エネリート)」(UA値=0.28)が発表され、数値的に一条工務店のi-シリーズと同等の性能を出してます。

クレバリーホームの断熱性能Q値:次世代省エネルギー基準

義務化前の基準「次世代省エネルギー基準」の断熱性能Q値を参考に掲載します。

  • 標準仕様 Q値 = 2.4

この次世代省エネルギー基準時代のQ値は、家自体の性能を表しているものなので、UA値で関係してくる日射量や省エネ設備を除いた純粋な家の断熱性能です。

今でも十分に断熱性能を語る上では通用する基準ではないでしょうか。

下記にて、「次世代省エネルギー基準」を義務化基準となる「改正省エネルギー基準」と「ZEH住宅基準」と並べ分かりやすく表にしました。

義務化省エネルギー基準とZEH基準

ハウスメーカーが提示する、断熱性能UA値がどのような基準で成り立っているのかを知らないと、そのハウスメーカーが優れた性能を装備しているのかどうかが分かりません。

テレビCMやブランドイメージに感化されてしまうと、客観的な数字を見れなくなってしまいます。

そのため、2020年に義務化される「省エネルギー基準」と国が推奨している基準「ZEH基準」また、参考に基準単位がQ値時代の「次世代省エネルギー基準」を紹介します。

断熱基準 基準単位 地域区分
改正省エネ基準 UA値 0.46 0.56 0.75 0.87
ZEH基準 UA値 0.4 0.5 0.6
次世代省エネ Q値 1.6  1.9  2.4  2.7 3.7

地域区分の見方

  1. 旭川
  2. 札幌
  3. 盛岡
  4. 仙台
  5. つくば
  6. 東京
  7. 鹿児島
  8. 那覇

クレバリーホームの断熱性能(UA値)まとめ

クレバリーホーム
断熱性能【UA値】
標準仕様公表なし 予想UA値=0.6(4・5・6・7地域)
ENELITE(エネリート)のUA値=0.28(実験棟公表値)

クレバリーホームでは、実験棟(モデルハウス)での断熱性能UA値を公表していませんが、ZEH住宅の仕様等から見ていくと、UA値=0.6程度を有する仕様になっている様子です。

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