ウィザースホームは、東京・埼玉・千葉・神奈川・茨城・山梨・山形の1都6県で展開している中堅ハウスメーカーです。
ウィザースホームを運営している、新昭和は、クレバリーホームという、フランチャイズチェーンも展開しており、こちらは北海道から沖縄まで全国区です。
同社のチェーン展開しているクレバリーホームでは、断熱性能(UA値=0.28)の商品名ENELITE(エネリート)を2018年に発売開始しましたが、親元であるウィザースホームはどのような断熱性能の住宅となっているのでしょうか
ウィザースホームの断熱性能【UA値】
ウィザースホーム |
断熱性能【UA値】 |
標準仕様公表値 UA値=0.39 |
ZEH仕様(ソライエ・ゼロ) UA値=0.48 |
ウィザースホームが使用する断熱材
クレバリーホームが標準採用している断熱材は、「エアロフォーム」。これはウレタンフォームの一種で、現場発泡タイプの硬質ウレタンフォーム断熱材です。
現場吹付け断熱材のメリットとして、施工時に構造材に自己接着する性質を持ち合わせていることから、気密性能が高く施工できる点が挙げられます。
しかし、その反面現場で施工するスタッフの腕の良し悪しが懸念される点は、どの吹き付け断熱を行うハウスメーカー・工務店でもデメリットとして挙げられます。
ウィザースホームの壁断熱仕様
フランチャイズ展開している同社のクレバリーホームは、木造軸組み工法でしたが、直営となるウィザースホームはツーバイシックス工法を採用しています。
そのため、壁の厚みが140mm取れることから、断熱材の厚みが多く取れます。
全国のツーバイシックス(2×6工法)のハウスメーカーが、高断熱住宅ランキングの上位を独占しているのはこのためです。
【ハウスメーカー別】高断熱住宅ランキングはこちらから確認できます。
ウィザースホームの天井裏断熱仕様
頭の上になる断熱には、屋根断熱と天井裏断熱と2種類ありますが、ウィザースホームは天井裏断熱を採用しています。
根太などの凹凸がある屋根裏には、ブローイング工法で繊維系断熱材を厚さ300mmにして吹き込んでいます。
小屋裏や、ロフト、勾配天井を考えている場合、屋根での断熱を取る必要があるため、屋根断熱を選択せざるを得ないですが、そうでないなら屋根裏断熱の方が、断熱材の厚みをコントロールできるため、効果を最大限化しやすいといえるでしょう。
ウィザースホーム【新昭和】の床下断熱仕様
ウィザースホームの標準仕様では、床下断熱をしています。押出法ポリスチレンフォーム3種を65mm使用。
素材(JIS規格) | 種別 | 熱伝導率 | 密度 |
A種押出法ポリスチレンフォーム保温版 | 1種a,b | 0.040 | 20 |
2種a,b | 0.034 | 25 | |
3種a,b | 0.028 | 25 |
ウィザースホーム【新昭和】の窓仕様
ウィザースホームの窓仕様は、アルミ樹脂複合サッシにアルゴンガスを充填したタイプを採用。Low-Eガラスとなっているので遮熱性能も兼ね備えています。
採用している窓の熱貫流率は、2.15w/㎡kとなっているので、最近の窓としては一般的なものになっています。
日本の窓の等級基準をみると、フォースター(★★★★)等級を2.33w/㎡kと最高等級として定義しているので、ウィザースホームの2.15w/㎡kはその上に値する、良い部類に見えてしまいます。(ウィザースホームに限らず他のメーカーも言えます)
しかし、現状での熱貫流率2.33w/㎡kでは、熱の出入りが激しく、夏暑く・冬寒い、さらには光熱費のかかる窓というのが業界常識となっています。
熱貫流率 | 等級記号 | 断熱性能 |
2.33以下 | ★★★★ | 高い |
2.33~3.49 | ★★★ | 中高 |
3.49~4.65 | ★★ | 中低 |
4.65超 | ★ | 低い |
数値を参考にするならば、世界の住宅業界の常識を知るといいかもしれません。
下記に記載した国別「窓」の熱貫流率は、最低限必要な基準となっていますが、日本だけが2.33を最高基準としており、出遅れ感が漂います。
詳しくは、日本の窓と世界各国の窓事情 国の基準値の違いをご覧ください。
窓の熱貫流率【国別】最低基準 | 熱貫流率(w/㎡k) |
フィンランド | 1.0 |
ドイツ | 1.3 |
デンマーク | 1.5 |
チェコ | 1.7 |
イギリス | 1.8 |
ハンガリー | 2.0 |
フランス | 2.1 |
イタリア | 2.0 |
アメリカ | 1.7 |
中国 | 1.6 |
日本の最高基準(寒冷地) | 2.33 |
もう少し家の断熱性能を上げるようにするならば樹脂サッシの断熱性能ランキングと世界の窓基準にかかれているような熱貫流率=1.0を切るようなサッシを採用すると、結露にも悩まされることが無くなると思います。
「省エネルギー基準」と「ZEH基準」については、下記に記載しました。
省エネ基準を上回るウィザースホーム【新昭和】のZEH(ゼッチ)は標準性能
ZEHとは!?
ZEHとは「快適な室内環境」と、「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅のこと。
国は、2030年までに新築の平均でZEH住宅を普及させる目標を掲げています。
UA値だけを見ると、0.39というカタログ値を出しているので、ZEH住宅基準の北海道レベルをクリアしています。(ZEH住宅基準は下記「義務化省エネルギー基準とZEH基準」を参照。)
しかし、ウィザースホームがZEH住宅として出している「ソライエ・ゼロ」は、販売エリアが最北端でも山形県というのを考慮してか、コストバランスを意識しているのか、UA値=0.48というグレードダウン仕様となっています。
下記画像はウィザースホームがどのくらいZEH住宅の普及に力を入れているかが分かる表です。これを提供しているのは、一般社団法人 環境共創イニシアチブ、通称Sii(シー)。
【データの見方】
2016・2017は目標と実績、2018年以降は目標数値
- 登録種別 A = 北海道(ウィザースホームはエリア外)
- 登録種別 B = その他都府県
上記画像が小さく見えずらい場合は、こちらからSiiのページが開きます。
内容をみると、2016年、2017年に掲げた目標と実績数値、そしてそれ以降の目標数値が掲げられています。
ウィザースホームのそれを見てみると、高気密高断熱住宅を謳っているだけあり、2016年2017年ともに、目標値をクリア、徐々に市場のシェアを奪うような気がします。
ウィザースホーム【新昭和】の断熱性能Q値:次世代省エネルギー基準
義務化前の基準「次世代省エネルギー基準」の断熱性能Q値を参考に掲載します。
- 標準仕様 Q値 = 1.34
この次世代省エネルギー基準時代のQ値は、家自体の性能を表しているものなので、UA値で関係してくる日射量や省エネ設備を除いた純粋な家の断熱性能です。
今でも十分に断熱性能を語る上では通用する基準ではないでしょうか。
下記にて、「次世代省エネルギー基準」を義務化基準となる「改正省エネルギー基準」と「ZEH住宅基準」と並べ分かりやすく表にしました。
義務化省エネルギー基準とZEH基準
ハウスメーカーが提示する、断熱性能UA値がどのような基準で成り立っているのかを知らないと、そのハウスメーカーが優れた性能を装備しているのかどうかが分かりません。
テレビCMやブランドイメージに感化されてしまうと、客観的な数字を見れなくなってしまいます。
そのため、2020年に義務化される「省エネルギー基準」と国が推奨している基準「ZEH基準」また、参考に基準単位がQ値時代の「次世代省エネルギー基準」を紹介します。
断熱基準 | 基準単位 | 地域区分 | |||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||
改正省エネ基準 | UA値 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | ー | |||
ZEH基準 | UA値 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | |||||
次世代省エネ | Q値 | 1.6 | 1.9 | 2.4 | 2.7 | 3.7 |
地域区分の見方
- 旭川
- 札幌
- 盛岡
- 仙台
- つくば
- 東京
- 鹿児島
- 那覇
ウィザースホーム【新昭和】の断熱性能(UA値)まとめ
ウィザースホーム |
断熱性能【UA値】 |
標準仕様公表値 UA値=0.39 |
ZEH仕様(ソライエ・ゼロ) UA値=0.48 |
ウィザースホームは、標準での断熱性能が大手住宅メーカーに匹敵する数値を出しています。その理由には、ツーバイシックス工法を採用している点にあるでしょう。
フランチャイズ展開のクレバリーホーム(クレバリーホームの断熱性能UA値は?)といい、高気密高断熱住宅に力を入れているハウスメーカーに違いはないようです。
販売エリアに建築予定の方であれば、検討の一社になるのではないでしょうか。
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