ダイワハウスとば、「クスッ」とするテレビCMにいつも魅了されてしまいますが、あなたはどうですか?
建設業としては、積水ハウスと2強を維持していますが、このところはダイワハウスが抜きんでています。
しかし、こと【戸建て住宅】、もっというと、【注文住宅】では「あまりぱっとしない」成績なんですよね。
それを知らないでブランドで選んでしまうと、家を購入してから「なぜ?」ってなってしまいます。
最近は、客観的な数値データ(断熱性能)が見れるようになってきたので、
- 内断熱
- 外断熱
- 外張り断熱
「どれが良いんだっ!」って言う争いがなくなりましたね。
「内断熱が暖かいよ!」
「いや、外張り断熱のほうが暖かいよ!」
ではなく、
「断熱性能=UA値は〇〇ですよ」って言う方が正確で分かりやすいですからね。
そんなことで、ダイワハウスの注文戸建て住宅の外張り断熱の性能を見ていこうと思います。
他社の断熱性能ランキングは・・・
ダイワハウスの断熱性能【UA値】(ジーヴォシグマ)
ダイワハウス xevoΣ【ジーヴォシグマ】 |
断熱性能【UA値】 |
未公表だが基準値以下 |
ダイワハウス公式ホームページを見ていても、しっかりとした数値が出ていないので、いろいろな角度から断熱性能を見ていきましょう。
ダイワハウスの地域別断熱仕様
ダイワハウスは、上記のような4つのグレード仕様に分かれています。
上から順に、寒冷地(北海道等)から温暖地域(東京や九州まで)に分けています。
- エクストラ断熱仕様
- ハイクラスプラス断熱仕様
- ハイクラス断熱仕様
- スタンダード断熱仕様
ハイクラスプラス・エクストラ断熱仕様
下記画像は、ハイクラスプラスとエクストラの壁の断熱。
外壁 | 高密度グラスウール100k | 12mm | 184mm |
高性能グラスウール14k | 60mm | ||
60mm | |||
内壁 | 52mm | ||
床下 | 硬質ウレタンフォーム | 65mm | |
天井 | 吹込みロックウール | 300mm |
スタンダードやハイクラスに比べ、内側に高性能グラスウール14kが52mm追加投入されています。さらに、天井裏にはグラスウールではなく、ロックウールを300mm厚にして吹き込んでいます。
下記にある、スタンダード・ハイクラスに比べ段違いに性能が上がっているような感じは受けません。
スタンダード・ハイクラス断熱仕様
下記画像は、スタンダード・ハイクラスの壁の断熱
外壁 | 高密度グラスウール100k | 12mm | 132mm |
高性能グラスウール14k | 60mm | ||
60mm | |||
内壁 | なし | ||
床下 | 硬質ウレタンフォーム | 65mm | |
天井 | 高性能グラスウール14k | 100mm | |
高性能グラスウール16k | 100mm |
上位クラスのエクストラやハイクラスプラスと比較すると、内壁グラスウール14k:52mmと天井断熱材の素材と厚みに違いが出てきます。
同じ鉄骨系のセキスイハイムが採用している断熱材と比べてみると、ダイワハウスの方が厚みをもっていますが、グラスウールの性能としては、セキスイハイムが採用しているグラスウール16kの方が優れています。
断熱材の素材別熱伝導率表はJIS規格に登録されている断熱材グラスウールとは詳しく記載しています。
比較!セキスイハイムの断熱材の仕様
外壁 | グラスウール16k | 100mm(厚み) |
天井 | グラスウール16k | 140mm(厚み) |
床 | ポリスチレンフォーム | 110mm(厚み) |
ダイワハウスが採用している窓の断熱仕様
樹脂サッシ
寒冷地などの寒い地域に建築する場合に採用する、樹脂サッシ複層ガラス仕様。
中間層には、空気層よりも断熱性能が高い「アルゴンガス」を充填したタイプもあり。
アルミ樹脂複合サッシ
温暖地域に建築をするなら、標準仕様がアルミと樹脂の複合サッシになります。
Ⅰ地域の窓仕様
アルミサッシに比べ、熱伝導率が1/1000の「樹脂サッシ」を採用。複層ガラスの間は、空気層(ドライエアー)ではなく、断熱性能が期待できる「アルゴンガス」を12mmの層に充填しています。
Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ地域の窓仕様
この地域で採用している窓は、アルミと樹脂の複合サッシを採用。複層ガラスの間は、ドライエアーになっています。
Ⅱ地域でも、1地域で採用している「樹脂サッシ」を選択することができますが、複層ガラスの間はドライエアーとなるようです。
この辺りは、希望を言えば費用次第で何とかなるものかと思いますが…。
Ⅴ地域の窓仕様
Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ地域のサッシと同じですが、窓ガラスに違いがあり、遮熱タイプのガラスが選択されているようです。熱貫流率がほぼ同じなので、体感するまでの差にはならに範囲でしょう。
窓はハウスメーカーによって、標準採用している性能に違いがあります。窓の基準に関しては「樹脂サッシの断熱性能ランキングと世界の窓基準で紹介しています。
省エネ基準を上回るダイワハウスのZEH(ゼッチ)
ZEHとは!?
ZEHとは「快適な室内環境」と、「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅のこと。
国は、2030年までに新築の平均でZEH住宅を普及させる目標を掲げています。
下記画像はダイワハウスがどのくらいZEH住宅の普及に力を入れているかが分かる表です。これを提供しているのは、一般社団法人 環境共創イニシアチブ、通称Sii(シー)。
【データの見方】
2016・2017は目標と実績、2018年以降は目標数値
- 登録種別 A = 北海道
- 登録種別 B = その他都府県
上記画像が小さく見えずらい場合は、こちらからSiiのページが開きます。
内容をみると、2016年、2017年に掲げた目標と実績数値、そしてそれ以降の目標数値が掲げられています。
登録種別Aの北海道では、2017年の実績が0%になっています。注文住宅で「ZEH住宅」を提供した実績が、なかったということ。
登録種別Bの北海道以外の都府県では、ダイワハウスが提供しているZEH住宅は全体の22%と低い数値にとどまっています。
これは、大手メーカーの中では最下位に近い実績ですね。
ダイワハウスを選ぶ人は、断熱性能というより、ジーヴォΣの戦略通りの客層を掴んでいることがうかがえます。
つまり、断熱性能はあまりよくない。鉄骨だからしょうがないといえばそうなのですが。
ダイワハウスの断熱性能Q値:次世代省エネルギー基準
義務化前の基準「次世代省エネルギー基準」の断熱性能Q値を参考に掲載します。
- 標準仕様 Q値 = 2.23
この次世代省エネルギー基準時代のQ値は、家自体の性能を表しているものなので、UA値で関係してくる日射量や省エネ設備を除いた純粋な家の断熱性能です。
今でも十分に断熱性能を語る上では通用する基準ではないでしょうか。
下記にて、「次世代省エネルギー基準」を義務化基準となる「改正省エネルギー基準」と「ZEH住宅基準」と並べ分かりやすく表にしました。
義務化省エネルギー基準とZEH基準
ハウスメーカーが提示する、断熱性能UA値がどのような基準で成り立っているのかを知らないと、そのハウスメーカーが優れた性能を装備しているのかどうかが分かりません。
テレビCMやブランドイメージに感化されてしまうと、客観的な数字を見れなくなってしまいます。
そのため、2020年に義務化される「省エネルギー基準」と国が推奨している基準「ZEH基準」また、参考に基準単位がQ値時代の「次世代省エネルギー基準」を紹介します。
断熱基準 | 基準単位 | 地域区分 | |||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | ||
改正省エネ基準 | UA値 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | ー | |||
ZEH基準 | UA値 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | |||||
次世代省エネ | Q値 | 1.6 | 1.9 | 2.4 | 2.7 | 3.7 |
地域区分の見方
- 旭川
- 札幌
- 盛岡
- 仙台
- つくば
- 東京
- 鹿児島
- 那覇
ダイワハウスの断熱性能(UA値)まとめ
ダイワハウス xevoΣ【ジーヴォシグマ】 | |
断熱性能【UA値】 | 未公表:0.55~0.87(推測値) |
ダイワハウスでは、モデルハウスを例にした断熱性能(UA値)を公表していません。しかし、使っている断熱材や窓の性能から推し測ると、UA値=5.5~8.7程度となり、この差は選択する仕様【エクストラ仕様やハイクラスもしくは、スタンダードなのか】により変わるものと思います。
より高気密・高断熱なダイワハウスを手に入れようとする場合は、木造の「プレミアムグランウッド」を選択するというのもありです。ダイワハウスに木造があるって知っていました?